Claude Codeのサブエージェントで記事制作を分業する方法|AIに8割を任せる実例

Claude Codeのサブエージェントで記事制作を分業する

このブログの記事は、制作工程の8割ほどをAIに任せています。

ただし、1回の指示で記事を自動生成し、そのまま公開しているわけではありません。企画、検索結果の調査、一次情報の確認、構成、下書き、編集、事実確認などを分け、それぞれの作業に合ったサブエージェントへ任せています。

サブエージェントは、コードレビューや開発作業だけに使う機能ではありません。調査と執筆を分けたり、書いた本人とは別の視点で確認させたりできるため、記事制作とも相性があります。

この記事では、Claude Codeのサブエージェントを記事制作に使っている方法を、役割の分け方、引き継ぎ方、実際の頼み方まで紹介します。

※「8割」は作業時間を計測した厳密な割合ではなく、AIへ任せている工程をもとにした目安です。テーマを決めること、自分の経験を加えること、内容の最終確認、公開の判断は自分で行います。

目次

サブエージェントは、記事制作にも使える

Claude Codeのサブエージェントは、特定の作業に合わせて役割や使える道具を設定したAIです。

Claude Codeの公式ドキュメントでは、サブエージェントは独立したコンテキストで作業し、結果をメインの会話へ返す仕組みと説明されています。役割ごとに、指示、使用するモデル、利用できるツール、権限を分けられます。

記事制作では、1つの会話に次の作業をまとめて頼むことがあります。

  • 検索上位の記事を調べる
  • 公式情報を確認する
  • 記事の構成を作成する
  • 本文を執筆する
  • 誤りや重複を見つける
  • WordPress用に整える

すべてを1つの会話で進めると、調査で読み込んだページや途中の案が会話に残り続けます。文章を書く段階でも、採用しなかった案や古い情報が混ざりやすくなります。

サブエージェントへ分けると、調査担当は調査に必要な情報を読み込み、要点だけを返します。執筆担当は、その調査結果と構成だけを受け取って本文を書けます。

公式ドキュメントでも、検索結果や大量のファイル内容でメインの会話を埋めたくない場合に、サブエージェントを使う方法が案内されています。記事制作では、一次情報の調査や競合記事の確認がこの使い方に当てはまります。

AIに任せている8割と、自分で行う2割

AIに任せているのは、主に手を動かす工程です。記事の責任までAIへ渡しているわけではありません。

AIに任せる8割と自分で行う2割を左右に分けた図解。AIに任せる8割は検索キーワードと上位記事の調査、公式情報や一次情報の収集、記事構成のたたき台、本文の下書き、重複や分かりにくい表現の修正、引用元・リンク・表記の確認、WordPress用のブロック整形。自分で行う2割は何について書くかを決める、自分の経験や考えを伝える、何を伝えたいかを決める、事実や手順を自分でも確認する、残す表現と削る表現を判断する、公開してよいか最終判断する、実際の編集画面と公開ページを確認する
AIに任せる8割と、自分で行う2割
AIに任せていること自分で行うこと
検索キーワードと上位記事の調査何について書くかを決める
公式情報や一次情報の収集自分の経験や考えを伝える
記事構成のたたき台何を伝えたいかを決める
本文の下書き事実や手順を自分でも確認する
重複や分かりにくい表現の修正残す表現と削る表現を判断する
引用元・リンク・表記の確認公開してよいか最終判断する
WordPress用のブロック整形実際の編集画面と公開ページを確認する

記事のテーマと結論までAIに決めさせると、整ってはいるものの、このブログで書く理由が薄い記事になりやすくなります。

そのため、最初に自分が決めるのは次の3つです。

  1. 誰に向けた記事か
  2. 読後に何が分かる記事にするか
  3. 自分の経験として何を加えるか

この3つを入力として渡し、調査以降の工程をAIへ分けています。

役割は5つに固定せず、記事に合わせて増減する

以前は、記事制作を次の5つに分けていました。

  • 企画
  • 調査
  • 執筆
  • 編集
  • 投稿用の整形

現在は、記事の内容に合わせて5つ以上の役割を使うことがあります。たとえば、製品の仕様や料金を扱う記事では、検索結果の調査と公式情報の確認を分けます。手順記事では、事実確認やリンク確認も別の担当にします。

記事制作で使っている役割の例は次のとおりです。

役割担当する作業
企画読者、検索意図、記事の結論、扱わない内容を整理する
検索結果の調査上位記事の共通点と不足している内容を調べる
一次情報の調査公式ドキュメントや公式発表から事実を集める
構成調査結果をもとに見出しの順番を決める
執筆構成と資料から本文の下書きを作成する
編集重複、回りくどい表現、読みにくい順番を直す
事実確認数字、名称、日付、引用、リンクを確認する
投稿用の整形WordPressのブロックやメタ情報を整える

毎回すべてを使うわけではありません。短い記事なら企画、執筆、編集だけで進めます。調査量が多い記事では、調査担当を複数に分けます。

重要なのは、サブエージェントの数ではなく、同じ担当に異なる判断を詰め込みすぎないことです。

たとえば、本文を書いた担当に「自分の文章を厳しく削って」と頼んでも、元の構成や表現を残そうとすることがあります。編集を別のサブエージェントへ任せると、下書きに引っ張られずに確認できます。

各担当には、必要な成果物だけを渡す

サブエージェントは、それぞれ独立したコンテキストで動きます。メインの会話履歴や、ほかの担当が読んだページをすべて共有するわけではありません。

そのため、前の担当が終わったら、次の担当が必要とする内容をファイルへ残します。

たとえば、次のように分けます。

article/
├── 00-input.md
├── 01-research-serp.md
├── 02-research-official.md
├── 03-outline.md
├── 04-draft.md
├── 05-review.md
└── 06-final.md
  • 00-input.md:テーマ、想定読者、自分の経験、記事の目的
  • 01-research-serp.md:検索結果の調査
  • 02-research-official.md:公式情報と参照URL
  • 03-outline.md:見出し構成と各見出しで伝える内容
  • 04-draft.md:本文の下書き
  • 05-review.md:修正点と確認が必要な箇所
  • 06-final.md:確認後の完成原稿

次の担当には、過去の会話をすべて読ませるのではなく、担当する作業に必要なファイルを指定します。

Writerへは構成と調査結果、Editorへは下書きと文章ルール、Fact Checkerへは完成稿と参照元を渡す、といった形です。

引き継ぎには、決まった書式を使う

ファイルだけでは、どこまで確認できたのか、何が未確認なのかが分からないことがあります。そこで、各担当の終了時に短い引き継ぎを残します。

これはClaude Codeの決められた書式ではなく、ぼくが記事制作で使っている形式です。

## 次の担当への引き継ぎ

- 完了したこと:公式ドキュメント3ページを確認し、仕様を整理した
- 採用した内容:サブエージェントは独立したコンテキストで動く
- 未確認の内容:プランごとの利用上限は公式の数値を確認できていない
- 次の作業:未確認の内容は断定せず、構成案を作る

長い経緯を残す必要はありません。次の担当が判断を間違えないために、採用した内容と未確認の内容を分けて伝えます。

サブエージェントを作る方法

カスタムサブエージェントは、Markdownファイルとして作成します。

  • プロジェクト内だけで使う:.claude/agents/
  • すべてのプロジェクトで使う:~/.claude/agents/

自分でファイルを作成することもできますが、Claude Codeへ作成を頼めます。

記事の一次情報を調べるサブエージェントを作成してください。

保存先:.claude/agents/article-official-researcher.md

役割:
- 製品やサービスの公式ドキュメントを優先して調べる
- 数字、日付、料金、機能名の参照URLを残す
- 確認できない内容は推測せず「未確認」と書く

制限:
- 原稿本文は書かない
- 公式情報と第三者の記事を混同しない

作成されたファイルには、名前、説明、使用するツール、モデルなどの設定と、担当する作業の指示が入ります。

なお、現在の公式ドキュメントでは、/agentsはサブエージェントを呼び出すコマンドとして案内されていません。Claude Code v2.1.198以降は、以前のような作成画面も開かなくなっています。古い解説記事とは操作が異なるため注意してください。

サブエージェントを指定して記事を進める

作成したサブエージェントは、自然な文章で指定できます。

article-official-researcherを使って、
00-input.mdのテーマに関する公式情報を調べてください。
結果は02-research-official.mdへ保存してください。

自然な文章で名前を指定した場合、Claude Codeがそのサブエージェントへ任せるかを判断します。

必ず特定のサブエージェントを使いたい場合は、入力欄で@を入力し、候補から対象のサブエージェントを選びます。公式ドキュメントでは、@による指定は、その作業で対象のサブエージェントを実行する方法として案内されています。

複数の担当を順番に動かしたい場合は、Claude Codeに以下のように伝えます。

次の順番で記事を作成してください。

1. 検索結果の調査
2. 公式情報の調査
3. 構成の作成
4. 本文の下書き
5. 編集
6. 事実確認

各工程の成果物はarticleフォルダへ保存し、
次の担当には成果物と引き継ぎだけを渡してください。
未確認の内容が残っている場合は、本文で断定しないでください。

Claude Code公式にも、複数のサブエージェントを順番に使い、前の結果を次の担当へ渡す方法が掲載されています。

実際の記事で試した結果

この方法は、CLAUDE.mdの書き方を扱った記事で、企画からWordPress用の下書きまで通して使いました。

このときは、調査、企画、執筆、編集、投稿用の整形を分けて進めています。Writerが作成した本文は5,486字で、Editorが重複や回りくどい部分を整理した結果、4,332字になりました。

1,154字減っていますが、短くすること自体を目的にしたわけではありません。前の担当が作った文章を別の担当が読み、同じ説明の繰り返しや、結論まで遠い部分を削った結果です。

現在は、記事によって公式情報の調査、検索結果の確認、事実確認などを別の担当にしているため、5つ以上のサブエージェントを使うこともあります。

ただし、AIが作成した完成稿をそのまま公開してはいません。実際の操作と合っているか、自分の経験として不自然な内容が入っていないか、読者に必要のない説明が増えていないかを確認してから公開しています。

サブエージェントが向いている作業と向かない作業

サブエージェントは、実行するたびに別のリクエストを送り、メインの会話と同じ利用枠を消費します。役割を増やすほど、利用量と完了までの時間は増えます。

Anthropicが公開した別のマルチエージェント研究システムでは、通常のチャットより多くのトークンを消費したと報告されています。ただし、これはAnthropicの研究システムでの数値であり、この記事の制作方法が同じ倍率になるという意味ではありません。

サブエージェントが向いているのは、次のような作業です。

  • 調査結果が多く、メインの会話へすべて残す必要がない
  • 調査、執筆、確認を分けられる
  • 各担当が、成果物を返せば完了できる
  • 同じ役割を別の記事でも繰り返し使う

反対に、次のような作業では分けすぎないほうが進めやすくなります。

  • 短いメールや数行の文章を作成する
  • 途中で何度も相談しながら決める
  • 前後の工程が同じ細かな文脈を共有する必要がある
  • 修正箇所が1つだけの作業

公式ドキュメントでも、頻繁なやり取りが必要な作業や、複数の工程で多くの文脈を共有する作業は、メインの会話が向いていると説明されています。

まとめ:最初は調査担当を1つ分けるところから始める

サブエージェントは、作業ごとに必要な情報と判断を分けるための仕組みです。最初から8つの役割を作る必要はありません。

記事制作で試すなら、一次情報を調べる担当を1つ作成するところから始めると違いが分かりやすくなります。調査担当が公式情報と参照URLをファイルへ残し、メインの会話では、その結果を使って構成や本文を作成します。

慣れてきたら、検索結果の調査、編集、事実確認など、繰り返している作業を順に分けます。

サブエージェントは、AIを人の人数に見立てて増やすための機能ではありません。作業ごとに必要な情報と判断を分け、長い会話へすべてを詰め込まないための仕組みです。

記事制作の約8割をAIへ任せられるようになったのは、高性能なAIへ一度に頼んだからではなく、作業を分け、各担当の入力と出力を決めたからでした。

毎回同じ前提や手順を持たせる方法は、Claude Codeの「Skills」と「CLAUDE.md」とは?で説明しています。

気になったことは、お気軽に

この記事のとおりに進めてみて、うまくいかないところがあれば遠慮なく聞いてください。

制作や設定のご相談も、同じ窓口で受けています。

Claude Codeのサブエージェントで記事制作を分業する

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