1Password の Claude Code との連携機能を使うと、ログイン情報やAPIキーなど、AIに渡せない情報を、1Passwordに保存したものから取得してくれます。
更新日:2026年8月時点(ベータ機能のため、画面や手順は今後変わる可能性があります)
AI にコードの作業を頼むとき、地味に引っかかるのが、APIキーやパスワードの渡し方です。
ぼくはこれまで、パソコンの中に置いた .env という設定ファイル(普段は表示されない隠しファイル)に書いておいて、そこから読み込ませていました。それで動いてはいたのですが、「もう少し楽な方法はないかな」とは思っていました。
APIキーやログイン情報は、外部のサービスを使ったりログインしたりするための、大切な情報です。これを設定ファイルにそのまま書いてしまうと、うっかり GitHub に上げて漏れてしまうことがあります。かといって、使うたびに手で貼り付けるのも面倒です。
そこで試したのが、1Password の「MCP Server」という新しい機能です。この機能を使うと、ログインパスワードやAPIキーなどの情報を AI(Claude Code)に見せないまま、Claude Code からその情報を使えるようになります。ぼくも実際につないでみたので、その手順を紹介します。
この記事でわかること
- 1Password の新しい機能で、何ができるのか
- Claude Code とつなぐ手順(オンにする → まとめる → つなぐ → 確かめる)
- なぜ「パスワードやAPIキーの中身を見せずに使える」のか、そのしくみ
そもそも何ができるの?(中身を見せずに使う)
パスワードやAPIキー、環境変数、MCP。急に用語が並ぶと、身構えてしまうかもしれません。
先に、言葉を3つだけ確認しておきます。むずかしく考えなくて大丈夫です。
- APIキー:外部のサービス(AI や決済など)を使うための、大切な認証情報です。漏れると、他の人に悪用されることがあります
- 環境変数(
.env):アプリに渡す”設定メモ”。この中に APIキーなどの大切な情報を書いておくことが多いです - MCP:AI(Claude Code など)に、道具を追加するための共通の”差し込み口”のことです。
1Password のこの新しい機能は、この差し込み口を使って、1Password にしまってあるログイン情報や APIキーなどの大切な情報を、Claude Code から”使える”ようにするものです。ここには、外部サービスの APIキーだけでなく、各種サービスのログイン情報(ID・パスワード)も含まれます。
ここが一番のポイントです。ログイン情報やAPIキーの中身そのものは 1Password の中に残ったままで、Claude Code(AI)には渡りません。 AI は「中身を見ずに、その情報を使って作業する」だけです。会話に貼り付ける必要がないので、AI との会話ログや設定ファイルに生の値を書き残さずに済みます。
ただし、これは1Password から AI へ値が渡らないという話です。承認したあと、値は実行するプログラムには渡ります(動いているあいだだけ)。そのプログラムが値を画面に出したり、ログに書いたりすれば、そこには残ります。「何を実行させても絶対に漏れない」という意味ではありません。
公式の説明でも、「シークレット(認証情報)を読んだり返したりしない。シークレットは 1Password に留まる」とされています。
用意するもの
- 1Password の有料アカウント(1Password 公式サイト/無料版・試用の範囲は公式で確かめてください)
- 1Password デスクトップアプリ(Mac など)
- Claude Code(ターミナルで動く AI。利用には費用がかかります=Claude の有料プラン、または Anthropic Console の従量課金。Claude の各サービスとの違いはClaude AIとClaude Codeの違いで解説しています)
- 1Password の「環境(Environment)」を1つ(大事な情報をまとめておく入れ物。手順の中で作れます)
💡 この機能を使うには 1Password の有料プランが必要です。まだの方は上のリンクから確かめられます。
⚠️ この機能の公式ドキュメントが名前を挙げている相手先は Codex・Cursor・Kiro で、Claude Code は(2026年8月時点でも)書かれていません。ただし Claude Code も同じ仕組みでつながるアプリなので、同じコマンドで追加でき、実際につながりました。ベータ機能なので、今後、画面や対応が変わる前提で読んでください。
使い方は4つのステップだけ
身構えなくて大丈夫です。やることは、大きく4つ。オンにする → まとめる → つなぐ → 使う、の順で進めます。
ステップ①:1Passwordで「渡していいよ」のスイッチを2つオンにする
最初に、1Password アプリを最新版に更新しておきます。ぼくの場合、ここが唯一詰まったところでした。更新するまで、次に出てくる項目そのものが表示されず、連携できませんでした。
更新できたら、1Password アプリの設定から、2か所をオンにします。
- 設定 →「研究室(Labs)」→「MCPサーバー」を開き、「ローカルMCPサーバーを有効にします」をオンにする
- 設定 →「開発者(Developer)」→「MCPクライアントとの統合」をオンにする
💡 この2つ目を忘れると、Claude Code から見えません。あとで「一覧に出てこない」と迷ったら、ここに戻ってきてください。


ここで迷いやすいのですが、「開発者」の画面には似た項目が3つ並んでいます。今回オンにするのは「MCPクライアントとの統合」だけです。
残りの2つは、別の用途のための項目です。「1Password CLIと連携」は、ターミナルから1Passwordを呼び出すコマンド(op)を使うときの設定。「Integrate with 1Password SDKs」は、自分のアプリに1Passwordを組み込む開発者向けの設定です。今回の手順では、どちらもオフのままで問題ありません。

ステップ②:使いたいログイン情報やAPIキーをひとまとめにする
Claude Code から使いたい情報——外部サービスの APIキーや、各種サービスのログイン情報(ID・パスワード)など——を、1Password の「環境」という入れ物にまとめておきます。日本語版のアプリでは「環境(ベータ)」、英語表記では「Environment」と呼ばれている機能です。
ひとことで言えば、これまで .env ファイルに書いていた「名前=値」のセットを、1Password の中に置いておくための箱です。
- 1Password アプリの「開発者」→「環境」から新しい環境を作り、使いたい情報(例:
ANTHROPIC_API_KEYなどの APIキーや、各サービスのログイン情報〔ID・パスワード〕など)を登録します - 中身は 1Password の中で暗号化されて保管されます。あとで Claude Code は「名前」だけで呼び出します。中身は見えません

ステップ③:Claude Codeとつなぐ
ターミナルで、Claude Code に1行のコマンドを打つだけ。一瞬でつながります。1Password アプリが用意する 1password-mcp というコマンドを登録します。
claude mcp add 1password 1password-mcp
💡 うまくいかない場合は、こちらの書き方でも試せます。
claude mcp add-json 1password '{"command":"1password-mcp"}'
登録できたら、Claude Code を起動して /mcp と打ちます。一覧に「1password」が出ていれば、つながっています。 初めてのときは、1Password 側でつないでいいか確かめるプロンプトが出ることがあるので、許可します。

ステップ④:実際に使ってみる(中身は見せずに動く)
つないだら、あとは Claude Code に日本語でお願いするだけです。むずかしい設定は、もう出てきません。たとえば——
1Passwordのenvironmentから、このプロジェクトに必要な環境変数の「名前」を一覧で見せて。
値は表示しなくていい。
Claude Code は、ログイン情報やAPIキーの”名前”は扱えますが、“中身”そのものは受け取りません。実行が必要な場面では、1Password 側で確かめるプロンプトが出ます。ここで許可すると、その情報を使った作業だけが進みます。中身は AI に渡らないまま、作業が終わります。
ここまでできれば、仕組みはもう掴めています。あとは実際に手を動かして、確かめてみてください。

4ステップの要点まとめ
| ステップ | やること | 確かめること |
|---|---|---|
| ①オンにする | Labs→MCP ServerをON/Developer→つなぐアプリを選ぶ | 2つ目を忘れると次に進めない |
| ②まとめる | 「環境」を作り、使いたいログイン情報やAPIキーを登録 | 中身は暗号化されて隠れたまま |
| ③つなぐ | ターミナルで claude mcp add 1password 1password-mcp | /mcp に「1password」が出ればOK |
| ④使う | Claude Codeに日本語でお願いする | 中身を渡さず、1Password側の許可だけで動く |
なぜ安全なの?
地味に見落としがちですが、ふつう APIキーやログイン情報を AI に使わせるには、.env に生の値を書いたり、設定ファイルに貼ったりします。すると——

- 設定ファイルごと GitHub に上げてしまい、APIキーやログイン情報が流出する事故が起きがちです
- AI との会話ログに生のAPIキーやログイン情報が残ることもあります
1Password のこの機能は、パスワードやAPIキーなどの大切な情報を 1Password の中に置いたまま、中身を渡さずに”使わせる”仕組みです。だから、この2つのリスクを避けられます。つまり、AI に渡るのは「使っていいですか?」という許可のやり取りだけ。「AI に作業はさせたいけど、大事な情報の中身は見せたくない」を叶える仕組みです。
ただ、使ってみていちばん実感したのは、安全面よりも「楽になった」ほうでした。
これまでは .env に書き足す作業が地味に面倒で、しかも同じ情報を 1Password にも保存していたので、二重に管理している状態でした。
いまは 1Password に入れておけばそのまま使えます。追記の手間も、二重保存もありません。管理する場所が1つになるのは、思っていた以上に快適です。
もうひとつの方法:CLI(opコマンド)で使う
ここまではMCPを使う方法でした。じつはもう一つ、1Password CLI(opコマンド)を使うやり方があります。
こちらは「環境」に入れ直す必要がなく、いま金庫(Vault)に入っているものをそのまま参照できます。ふだん使いは、こちらの方が手軽かもしれません。
準備
Homebrew を使っているなら、次のコマンドで入ります。
brew install 1password-cli
そのうえで、1Passwordアプリの 設定 →「開発者」→「1Password CLIと連携」 をオンにします。アプリ側の説明どおり、デスクトップアプリを使って端末からサインインできるようになります。

使い方①:ひとつだけ取り出す
op read に「どこにある何か」を表す住所(op:// ではじまる参照)を渡すと、その値だけを取り出せます。
op read "op://Vault名/アイテム名/フィールド名"
⚠️ これは値を画面に表示するコマンドです。公式のヘルプにも「Print the secret(秘密を表示する)」と書かれています。ターミナルの履歴や、画面共有・録画にも残ります。Claude Code にこのコマンドを実行させないでください。表示させずに使いたいときは、次の
op runのほうです。
使い方②:.env には「住所」だけ書く
.env に生のパスワードを書く代わりに、参照(住所)だけを書いておきます。
DB_USER="op://app-dev/db/user"
DB_PASSWORD="op://app-dev/db/password"
そして実行するときに op run をかぶせると、その瞬間だけ中身が渡されます。
op run --env-file="./.env" -- node app.js
これなら、.env に生のパスワードが残りません。詳しい書式は1Password公式のドキュメントにまとまっています。
値が渡るのは、-- のうしろで動かすプログラム(この例では node app.js)に、動いているあいだだけです。ファイルには残りませんが、そのプログラム自身が値をログに書き出さないかは、別に確かめてください。
どちらを使う?
- MCP(環境):Claude Code との会話の中から、名前で呼び出したいとき
- CLI(
op):すでに金庫にあるものを、そのまま使いたいとき。環境に入れ直す手間がありません
つまずきやすいポイント
- Claude Code に「1password」が出てこない:ステップ①の2つ目(Developer → つなぐアプリを選ぶ)を忘れていないか確かめる
- そもそも項目が見当たらない:ベータ機能なので、1Password アプリが古いバージョンだと出ないことがあります。最新に更新してください
- 「環境」を作っていない:先に 1Password 側で「環境」(設定メモの入れ物)を用意しておきます
- 公式に Claude Code の記載がない:今のところ公式が名前を挙げているのは Codex と Kiro だけです。Claude Code も同じコマンドで動きますが、今後の対応は公式の更新を確かめてください
まとめ
- 1Password のこの新しい機能を使うと、APIキーやログイン情報を Claude Code(AI)に見せないまま使えます
- 手順は4つ:①1Passwordでオンにする(2か所)→ ②「環境」にまとめる → ③コマンドでつなぐ → ④使ってみる
- 2つ目のスイッチ(Developer側)を忘れると見えないのが、一番つまずきやすいところです
.envに書いた生のAPIキーやログイン情報、会話ログへの流出を避けられるのが、いちばんの利点です。ここが変わるだけで、運用はぐっと楽になります- ベータ機能なので、画面や対応するアプリは変わる前提で。最新は公式で確かめてください
パスワードやAPIキーの扱い、後回しにしていませんか?
先送りにするほど、事故は怖くなるものです。
AI に作業を任せる機会が増えているからこそ、「中身を見せずに使う」土台を早めに作っておくと安心です。
よくある質問
Q. Claude CodeにAPIキーやログイン情報を直接書くのは危ないの?
A. 直書きだと、GitHubへの誤アップロードや会話ログへの流出で漏れる恐れがあります。
Q. 1PasswordとClaude Codeはどうやってつなぐの?
A. はい。1Password公式も「シークレットは1Passwordに留まる」と説明しています。
Q. Claude Codeは公式に対応しているアプリとして書かれているの?
A. 2026年8月時点でも、公式が名前を挙げるのはCodex・Cursor・Kiroのみですが、同じコマンドで実際につながりました。
Q. この機能を使うのにお金はかかるの?
A. 1Passwordの有料アカウントと、Claude Codeの有料プランが必要です。
AI活用のご相談はこちらから
「AIを仕事に取り入れたいけれど、どこから手をつければいいか分からない」
——そんなときは、お気軽にご相談ください。
どの作業をAIに任せられるか、一緒に整理するところからお手伝いしています。



